ぜんじろうと芸歴論争で話題の爆笑問題は「昭和最後の芸人」だった?

相川ナロウ

 爆笑問題とぜんじろうの芸歴をめぐるバトルが注目を集めている。だが、ここ30年ほどテレビに出ている主要な人物が、あまり代わり映えしない印象を抱く人は多いだろう。それは、そのまま平成という時代に重ねられそうだ。いわゆるお笑いビッグ3と呼ばれるビートたけし、明石家さんま、タモリは現役であるし、その下のお笑い第3世代、とんねるず、ダウンタウン、ウッチャンナンチャンも活躍している。

 だがその裏で、現れては消える人たちがいたのも事実である。その点において平成の30年間を生き抜いた芸人たちはある種のレジェンドといえるだろう。芸歴において昭和と平成の境目はどこになるのだろうか?

 実質的な昭和最後の年となる1988年、昭和63年デビューには爆笑問題、さまぁ~ず(当時の芸名はバルディ)、デンジャラスなどが並ぶ。さらにピン芸人でも江頭2:50、松村邦洋がいる。ここまでが「昭和芸人」といえるだろう。

 ならば実質的な平成最初の年となる1989年、平成元年のデビュー組は誰がいるだろうか。こちらには雨上がり決死隊、FUJIWARA、千原兄弟がいる。吉本興業の芸人養成所であるNSCにおいて、雨上がりは7期、FUJIWARAと千原兄弟は8期であるが、芸歴はコンビ結成の時期でカウントする。雨上がりは別のコンビを解散しているので、同じ数字となっている。この年には東京で極楽とんぼも結成されている。当時は東京にNSCはないため、加藤と山本は劇団員メンバーとして知り合った。やがて吉本が東京に作った銀座七丁目劇場にオーディションを経て入り、この小屋の主的な存在となる。彼らが平成最初の芸人といえる。

 90年代に『ボキャブラ天国』(フジテレビ系)シリーズなどで活躍する、お笑い第四世代と呼ばれる芸人たちは91年から94年くらいまでのデビュー組が多い。そこから頭ひとつ飛び抜けて早々にブレークを果たしたのが91年、平成3年にデビューしたナインティナインである。

 ざっと整理するとすれば、昭和最後の芸人は爆笑問題であり、平成最初の芸人は千原兄弟、極楽とんぼといった布置になるだろう。現在のお笑い業界の見取り図はそのまま継続しているといえそうだ。
(文=相川ナロウ)

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