「キングダム」公式サイト
これは大コケのにおいしかしない。
累計発行部数3800万部を誇り、芸能界にも多数のファンをもつカリスマ漫画の実写映画「キングダム(4月19日公開・全国東宝系)」。その期待感を煽る“はず”のキャラポスターが2日に公開されたが、待ち望んでいたファンからは、その哀れな仕上がりにため息が漏れている。
実写版「キングダム」は、山崎賢人や吉沢亮、長澤まさみ、橋本環奈、本郷奏多、大沢たかおといった古今東西のイケメン・美女キャストが、中国の春秋戦国時代を舞台に戦乱の時代を描く超大作だ。昨年の実写映画では「ちはやふる」や「銀魂2」などのヒット作が生まれただけに、2019年の邦画最初の大ヒット作になるポテンシャルを秘めている、はずなのだが…。
その目論みは、はかなくも砕かれそうだ。
公開されたポスターには、信(山崎)や政(吉沢)といった主要キャラクターの迫力ある勇姿が。人気アイドルの橋本に至っては、ファン垂涎のクール美女のコスプレポスターといったハイクオリティである。・・・そう、これらのポスターは、美男美女役者の「コスプレポスター」の域を脱していないうように見える。
原作は老いも若きも夢中になる人気漫画である。キャラクター自体も個性が立っており、その再現が実写化における肝であっただろう。だが、乱世を生き抜く人々が放つ「たくましさ」「勝ち抜くための執着心」「狂気」の表現を、ゆとり社会を謳歌したであろう主要キャストに求めることが酷なのだ。
ただ、戦国時代を舞台にした一大スペクタクル映画だけに、俳優陣の新境地を垣間見れる本作。山崎賢人ファンは泥臭く生きる熱い男としての一面を、橋本環奈ファンはあどけなさがありながら妖艶さを秘める魔性の姿を楽しめるかもしれない。
とはいえ、やはり、残念だが、原作ファンは失望を避けるために、大人しく自宅で原作を読み返していた方が有意義かもしれない。