老舗の出版取次会社がついに倒産で二次被害は億単位!? 出版業界を待ち受けるさらなる負のスパイラル!!

編集部
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  老舗の出版取次会社の太洋社が今月15日、東京地裁に自己破産を申請し、同日から破産手続き開始決定を受けて業界内で波紋を広げている。

  同社は、1946年創業、1953年に法人改組。国内中堅の出版取次業者として、書籍、雑誌などの取次販売を手掛けていた。
  とくにコミックの扱いには力を入れており、業界内での評価は高く、05年6月期には年売上高約486億6700万円を計上していたが、出版不況の煽りを受けて近年は業績も低迷。
  芳林堂書店の破産などの影響もあり、2月に自主廃業を検討する方針を明らかにしていたが、ついに破産となった。
  出版業界に詳しいジャーナリストはこう語る。

「インターネットの普及、とくにスマートフォンが市場を拡大するにつれて、雑誌をはじめとする紙の出版物は年々厳しい状況に追い込まれています。電車の車内を見渡してもスマホをイジッている人ばかりで、雑誌を読んでいる人を見掛ける機会は格段に減りましたからね。出版取次会社に関しても、全体の市場が縮小する中、近年はシェアの激しい奪い合いが繰り返されており、このままいくと共倒れになりかねません。太洋社が破産したからといって、そのぶん他社が得をするかというと、一概には言い切れませんね」

  それどころか、太洋社の破産は業界内に“負の連鎖”を巻き起こす可能性があるという。

「太洋社の破産自体、芳林堂書店の破産の影響は色濃いわけですが、今後懸念されるのは太洋社の取引先である出版社に対する影響です。太洋社は複数の週刊誌とも取引があったわけですが、今回の太洋社の破産により、週刊誌を発行するある出版社は1億円近い損害を被ったと噂されています。その週刊誌のライバル誌2誌も1000万円から3000万円の被害を受けたと言われており、連鎖倒産の可能性もあります」

  実際、今回の件で1億円近い損害を被ったとされる某出版社において、週刊誌の編集を担当するデスクは明かす。

「今のところ、太洋社の倒産が我が社にもたらした影響については、社内でも一部の管理職のみしか知りません。ただでさえ、発行雑誌の部数が日増しに落ちているのに、今回の件まで公にしたら社内はパニックになりかねませんからね。とはいえ、社員のほとんどは折からの出版不況で危機感を持っていますし、噂が広がるのも時間の問題でしょう。正直言って、今回の件はかなり深刻です。恥ずかしながら、私もひそかに転職活動を始めています」

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