漫画家の高橋留美子が、フランスで開かれた欧州最大規模のマンガの祭典、アングレーム国際漫画祭において、マンガの発展に貢献した作家に授与されるグランプリを受賞し話題となっている。
高橋といえば『うる星やつら』『らんま1/2』『めぞん一刻』『犬夜叉』などの作品で知られる。これまでの定期連載作品がすべてテレビアニメ化がなされるなど、人気作家である。
そんな彼女にはある特徴がある。それが独身を貫いている点であろう。これはなぜなのか。
「もともと漫画家はインドアな仕事ですから出会いの機会が少ないのもありますが、高橋がいまだ独身なのは仕事哲学があるようですね。『女は結婚をするとダメになる』『男性がそばにいると仕事に集中できない』といった理由をあげていたようです。いわば漫画の仕事に集中するために、あえて結婚の道を選ばなかったといえるでしょう。さらに彼女の作品は母性愛にあふれたものが多いですが、これはリアルな恋愛経験というよりはイマジネーションの中からできあがったものといえるでしょう」(業界関係者)
さらに『らんま1/2』『うる星やつら』といった名作は「週刊少年サンデー」(小学館)に連載されていた。高橋は少女漫画家としてでなく、少年誌の漫画家としてキャリアを積んできた。
「少年誌や青年誌の世界は、圧倒的な男社会ですから、そこにおいて男性に負けないようにするといった心意気もあったのかもしれません。さらに原稿を落とさないのはもちろんのこと、執筆スピードにも定評がある作家として知られています。デビューから40年以上にわたって第一線で活躍している作家はきわめて珍しいのではないでしょうか」(同)
そんな彼女が海外においても認められたのは、当然の結果ともいえるだろう。
(文=相川ナロウ)