ギョーカイ的ドラマレビュー その18

松岡昌宏の“親子……”こそ『大恋愛』だった?の最終回直前レビュー

編集部

 いよいよ今週が最終回となる『大恋愛〜僕を忘れる君と』。放映を前に、その前の回のおさらいをするわけだが、なんといっても前回のポイントは、井原侑市(松岡昌宏)と、間宮尚(戸田恵梨香)の母、北澤薫(草刈民代)のまさかの猛スピードなゴールイン。

 またもバーでふたりで飲んでいた侑市と薫。「うちに来ませんか?」との侑市の誘いで家に行き、リビングのソファで朝を迎える。侑市は第一回で尚とも“朝を迎えて”いたから、これっていわゆる……。翌朝になると、侑市の母親・井原千賀子(夏樹陽子)がやってきて、ラブラブなふたりに仰天。「目を覚ましなさい!」と言うが、「目が覚めたらこうなったんだ」と侑市はひるまない。結局、すぐにふたりは結婚してしまったのだった。

 さて、舞台は2015年になり、間宮真司と尚の間には赤ちゃんが誕生。恵一と名付ける。だが、尚の若年性アルツハイマーは徐々に進行しており、尚は、真司の身の回りを世話する編集者・水野明美(木南晴夏)に対して、自分は真司に対して何もできていない、と引け目を抱く。そんな尚を、明美は、「奥様は生きているだけで先生の創作の源なんです」と励ます。しかし、担当編集者って、子育ての手伝いまでしてくれるものだろうか?

 真司は、自分たちふたりをモデルにした『脳みぞとアップルパイ』の続篇の新聞小説「もう一度 第一章から」を、これから若年性アルツハイマーが進行する、というところで終わらせてしまう。一方、尚は、「週刊文潮」の記者に直撃され、とっさに「あたしは間宮真司の創作の源だと思っています」と答える。

 そしてさらに時は進んで、2019年。真司たちは新居を購入している。子供・恵一も大きくなったが、尚の病気はさらに進行して、虚ろな様子になっている。ある日、真司の仕事中に、恵一が公園に行きたがり、真司は、尚と恵一を赤い糸で結んだうえで行かせるが、尚は、ひとりで家に帰ってきてしまった。引っ越し屋の仲間たちや編集者の水野、そして警察にも協力してもらい、一晩探しまわり、ようやく恵一は見つかる。だが、自分のせいで息子を危険にさらしたことに気付いた尚は、「しんじさま ありがとうございました 尚」という置き手紙を残して、家を出てしまうのだった……。

「尚ちゃんじゃなきゃだめなんだ」を連発し、夫婦の絆を確かめて来た真司だったが、尚のために恵一がいなくなった晩、「あたしも探しに行かなきゃ」と混乱する尚に、つい「いいかげんにしろ!」と声を荒げてしまった。記憶を失っていくという病気を抱えながらも、それでもふたりは幸せになれると、愛の力を証明してほしかったのに、最後は結局アンハッピーエンドになってしまうのか……? その結論は、12月14日(金)10時放映の最終回で明かされることになる。

里中高志
月刊誌などでメンタルヘルスや宗教から、マンガ、芸能まで幅広く書き散らかす。一時期マスコミから離れて、精神に障害のある人が通う地域活動支援センターで働くかたわら、精神保健福祉士の資格を取得。著書に、「精神障害者枠で働く」(中央法規出版)がある。

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