ギョーカイ的ドラマレビュー その18

小池徹平のストーカーぶりに戸田恵梨香がトドメの一言。『大恋愛』最新話直前レビュー

編集部

 2019年後期のNHK朝ドラ「スカーレット」のヒロインにも決定した戸田恵梨香の魅力が満開のこのドラマ。放映を前に前回を振り返る『大恋愛』第8回レビュー。この回は小池徹平演じる松尾公平のストーカーぶりが炸裂した回だった。

 間宮尚(戸田恵梨香)の講演のとき、松尾公平が音響装置を操作したことで、マイクのハウリング音が起こったことを知った井原侑市(松岡昌宏)。ハウリング音を出したからといって、そんなに都合良く尚が倒れるかどうかわからないんじゃ…と思うが、ともあれその事実を知った侑市は、尚の母・北沢薫(草刈民代)がやっているクリニックへ。突然アポなしで訪問して、前回一緒に飲んでいいカンジになった薫にアプローチしにきた…のかと思ったが、そうではなくて、公平のことを薫に警告する。

 間宮真司(ムロツヨシ)は、小説の取材や打ち合せが連チャンで入るが、家にスマホを忘れてしまう。そこで編集者の水野明美(木南晴夏)が、「私が家に取りに行きます」と提案。真司から受け取った鍵で、真司の家に行くと、尚と鉢合わせしてしまう。

 妊活を開始し、ベッドで真司といちゃいちゃするところを視聴者に見せつけていた尚だったが、このことはひっかかったようで、真司に「電話してくれたらあたしが持って行ったのに。あたしが何もできないと思ってる」と怒りをあらわに。真司の小説、『脳みそのアップルパイ』の続篇のタイトルも、編集者に教えて私には教えてくれなかった、と言うのだが、実際は、真司は尚に「もう一度第一章から」というタイトルを伝えていた。しかし、そのことを思い出せないことで、また尚の感情は追いつめられてしまう。

 傷ついて家を飛び出した尚を、家の前で張り込んでいた公平は自分の車に乗せ、睡眠薬をコーヒーに入れて尚に手渡す。眠り込んだ尚を横に公平は真司に電話をする。駆けつけた真司に、「今度は僕たちの純愛をあんたが書けよ」と言う公平の前に現れたのは、尚。睡眠薬入りであることに気付き、実際には飲んでいなかったのだ。同じ病気を持つ自分たちこそ対等なんだ、と言い張っていた公平に、尚は「あたしはみんな忘れちゃうの。忘れちゃうところがこの病気の救いでもあるのよ。だからあたしはあなたを恨まない。恨んだところで忘れちゃうんだもん」と言う。これを聞いた公平は「忘れたくないこともたくさんあるのになあ」と泣きそうな顔をしたあとで、「バイバイ」と去って行ったのだった。

 このドラマの最初では、尚がエリート医師で、真司はアルバイト。明るく振る舞っていても、真司はそのことを気にしていた。しかし、今は真司は人気作家となり、尚は若年性アルツハイマー。いわば立ち位置は逆転したのだが、ふたりは、対等であろうがなかろうが、自分たちはお互いに必要であることを確認し合う。格差など、愛し合っているカップルにとっては気にもならない、ということが、このドラマのテーマのひとつかもしれない。

 それにしても気になるのは、今回も一緒に飲んでいた侑市と薫がこの先も接近して行くのかどうか。実は「大恋愛」というのはこのふたりのことだったりして!? そして、次回予告では、赤ちゃんを抱いた尚の姿が。クライマックスに向けて、ふたりの愛はどこへゴールインするのだろうか? 

里中高志
月刊誌などでメンタルヘルスや宗教から、マンガ、芸能まで幅広く書き散らかす。一時期マスコミから離れて、精神に障害のある人が通う地域活動支援センターで働くかたわら、精神保健福祉士の資格を取得。著書に、「精神障害者枠で働く」(中央法規出版)がある。

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