ギョーカイ的ドラマレビュー その14

ムロツヨシが戸田恵梨香に「別れよう」。男の劣等感が刺激される『大恋愛』4回レビュー

編集部

 人気急上昇。ネットでも話題沸騰中の「大恋愛」は第4回。前回の終わり、入院した間宮真司(ムロツヨシ)を抱きしめて、「好き。侑市さん」と名前を呼び間違えた北澤尚(戸田恵梨香)。真司は、なんでもないふうを装いながら「これが終わりの始まりなのか? 名前を間違えたくらい序の口だ」と考え始め、さらには一ヶ月前の尚の真司に対する積極性も、病気のせいだったのではないか、と疑いだす。

 尚の元婚約者、井原侑市(松岡昌宏)のところには、また新しいお見合いの話が。侑市の母、井原千賀子(夏樹陽子)が「でも消化器外科って地味ね」とお見合い相手のことをマウンティングすると、侑市「首席でも○○医大じゃあな」と、出身大学でマウンティングする。果てしなき、医者同士の序列づけ。だがそのお見合い相手・梓澤レイ(桜井ユキ)にあうと、尚とお見合いをしたときと同じように血液検査のデータを彼女が持って来たことから、結構気に入ったようす。「結婚を前提にお付き合いしていただけますか」という彼女に「お願いします」と返事をする。

 尚は、お風呂のお湯を出しっ放しにしたり、ガスを止め忘れたりして、自分のアルツハイマーが進行しているのではとますます心配になる。そんな尚に真司は、尚のことを題材にして、新しい小説を書いてもいいか、と聞く。真司が新作を書く気になったことを喜び、快諾する尚だが、「読んだ人が尚ちゃんのことだと分かってもいいか」と聞かれると、考え始める。しかし、「それじゃあ別のタイプの女性にしようかな。濡れた雑巾を放置したみたいな体臭のする女の子ってことに」と真司が言うと、「なにそれ。いいよ。私だと分かっても。好きに書いて」と返事する。

 尚は、若年性アルツハイマーの権威である侑市の診察室に入るところを患者に目撃される。病院の口コミサイトには、悪口を書き込まれ、診療もキャンセルが続出。さらに厚生労働省の審議官から呼び出される。行くと、そこには診断書を頼まれた侑市が「直接説明した方がいいかと思って」と来ており、尚を問いつめる審議官に、自分が仕事を続けた方がいいといったこと。それでも、尚は患者さんを裏切れないと診療をやめたことを伝える。そのおかげで、審議は事なきを得たのだった。しかし、年取った医者なら、物忘れが多くなってくることくらいあるだろうし、こんなにいちいち厚生労働省に審議されるものだろうか?

 そのころ、真司は、尚のクリニックの口コミサイトに「先生のおかげで濡れたまま放置したぞうきんのような体臭が治りました」と書き込んでいた。なぜか濡れぞうきんにこだわり、こんな口コミを書き込むことくらいしか真司にはできない。

 真司の家で、患者たちへの手紙を封に入れる尚。「今回は井原先生にはお世話になったわ」と尚が言うと、真司は「尚ちゃんは心の中で俺よりも井原先生のほうを頼りにしている」と言いだし、「この間俺のことを侑市さんって呼んだよ」と言ってしまう。「私は病気なのよ。名前間違えたくらい文句いわないでよ」と喧嘩をはじめ、ついに真司は「俺とのことだって病気のせいで恋に落ちたと思い込んでるだけじゃないの。尚ちゃんの中で、病気と恋がごっちゃになってるんだよ」と言うのだった。

 尚が真司の部屋を走り出ると。そこには侑市が立っていた。尚に会いたくなり、1時間も待っていたのだという。でも何で侑市が真司のアパートを知っているのか? 「尚に僕が必要なんじゃない。僕に尚が必要なんです」と言う侑市に、尚は「先生には感謝しています。でも私が愛しているのは真宮真司なんです」と告げる。そして、尚はもう一度真司の部屋に戻るのだが、その尚に真司は「別れよう」と言うのだった。

 真司が尚に別れを告げたのは、侑市へのコンプレックスからみじめになったためか? それとも、医師の侑市と一緒にいたほうが、尚にとってはいいと、身を引こうとしたのか? 次回予告の映像では、尚と真司の結婚式や、真司のサイン会が映し出され、物語が急展開しそうな予感である。真司が小説家として復活すると、なにかとコンプレックスを抱いていた真司にも変化が訪れ、ふたりの関係性にも変化が訪れるのかもしれない。次回も要チェックである。

里中高志
月刊誌などでメンタルヘルスや宗教から、マンガ、芸能まで幅広く書き散らかす。一時期マスコミから離れて、精神に障害のある人が通う地域活動支援センターで働くかたわら、精神保健福祉士の資格を取得。著書に、「精神障害者枠で働く」(中央法規出版)がある。

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