オリエンタルラジオの中田敦彦がテレビのレギュラー番組を次々と降板し、話題となっている。一説には、物言う振る舞いからテレビを干されたともいわれているが、本人の中では「仕事を整理」したい思いもあったようだ。これは中田の転落ではなく、新たな伝説の始まりといえるかもしれない。中田はそうした可能性を秘めた人物だといえる。
「オリエンタルラジオは、よしもとクリエイティブ・エージェンシーの芸人養成所であるNSCの在学中に『武勇伝ネタ』で注目を集め、『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)の準決勝に進出し話題となります。この元ネタは『中田伝説』と呼ばれる、中田のキャラクターを発展させたものでした。中田の奇人変人ぶりはキャラクターではなく、天然に近いといえるでしょう」(放送作家)
中田の奇行は、芸人になる前から始まっていた。
「中田は、東京学芸大付属高校から、慶應義塾大学経済学部に進学しています。この経歴だけを見るとエリートのように見えますが、大学に入るまで友人は一人もおらず、ひたすら勉強をしていたそうです。睡眠時間がもったいないのでベッドを壊し椅子に身体を縛り付けていた、勉強の息抜きに首吊りのイラストを書いていた、壁を殴り拳から血が出るのを見るのを好きだった、初恋の相手は『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイといったエピソードには事欠きません。こうした濃厚な世界を中和させたものが『武勇伝ネタ』だったのです」(同)
制約の多いテレビメディアから離れることで、イケメンや高学歴といった部分に隠れていた中田の狂気が解禁されるかもしれない。その時こそ本当の「中田伝説」が登場しそうだ。
(文=相川ナロウ)