8月15日に乳がんでこの世を去ったさくらももこさん。
『ちびまる子ちゃん』の原作者としてあまりにも有名だったが、唐突な53歳での死に世間の衝撃や悲しみはいまだ収まらない状況だ。
ただ、さくらさん自身は7年ほど前からがんの治療をしていたと「週刊女性」(主婦と生活社)が報じているように、闘病生活は長く過酷なものだったようだ。同誌は、一度手術をしたものの、再発後は「民間療法」を試すようになったと記している。
昨年6月に乳がんで亡くなった小林麻央さんも民間療法を利用していたことで話題、議論になったが、さくらさんもまた、民間療法に活路を見出そうとしていたようだ。良い治療があると聞けば全国各地を飛び回っていたそうである。
「昨年、米イェール大学医学大学院、イェールがんセンターのスカイラー・ジョンソン氏は『実績のある従来のがん治療の代わりに代替療法を選んだ場合、生存率が低下することを示唆するエビデンスが得られた。がん治療が生存率に及ぼす影響について医師や患者が話し合う際に、この情報を活用してほしい』とも報告しています。
民間療法の是非というのは難しい問題ですが『がんに関する耳障りのいい情報』が多く、誤っている場合も多々あるのは事実でしょう。『食事で治す』という触れ込みなど、盲目に信用すべきではない情報もあります。がんと向き合うことが大変であることを受け止め、本当の意味での『最善』を見出していくことが必要なのでしょう」(記者)
米アップル社の共同設立者で元CEO(最高経営責任者)のスティーブ・ジョブズ氏は、自身の考えや宗教的観念から、がんの治療を代替療法を選択。結果的に膵臓がんを抑えることができず、標準医療に切り替えた時には手遅れになっていた、という話もある。そしてそうした決断を後悔した、とも。ジョブズ氏ならば世界最高の「代替療法」を受けることができたと考えると、それでも効果がなかったとなると……。
あくまで医療の可能性の話で断言はできないが、「スピリチュアル」というやや具体性の欠ける(標準医療などと比較すれば)ものなどの観点から、民間療法などを盲目的に信じるのはやはり、オススメはできないということなのかもしれない。