北川昌弘の「美女&美少女的ドラマ独偏批評」その18

石原さとみ、ついに破談で映画『卒業』のワンシーンか? 『高嶺の花』第6話レビュー

編集部
ドラマの“質”は脚本家で決まるのか、あるいは演出家、プロデューサーで決まるのか? 確かにそれもあるだろう。だが、作品に彩りを添えるのは女性キャストだ! 稀代の美女&美少女ウォッチャー・北川昌弘が送る、女性キャストから見るドラマ評――。

 ある意味、風間直人的には理想的な結末で第1章が終了? ももがななのための噛ませ犬という衝撃的な事実が判明? なんでも知っている宇都宮クンの正体も気になるところ。

 次期家元を異母妹のなな(芳根京子)にゆずり、“ぷーさん”こと風間直人(峯田和伸)との結婚に突き進むハズのもも(石原さとみ)だった。が、家元(小日向文世)によるハニートラップに引っかかり、ももとの結婚式の日に破談となった吉池(三浦貴大)に襲われて入院した家元が、なぜかハニートラップをしかけたかの釈明として、ももの母親が家元の後継者として、自分を命を顧みず、ももを出産した話をしてしまう。

 その話を真に受けたのか、「それが、私の宿命なんでしょ」とももは家元になる覚悟を決めた様子。でも、ももの父親は、どうやら家元ではなく、運転手さん(升毅)らしいので……。

 で、第6話。

 佳代子(笛木優子)の店で生花を披露するもも。

 直人「俺達とは違うものが見えている」とみんな感心するが、実はももは出来に納得できていない。

 一方、宇都宮(千葉雄大)も「こんなの俺は絶対認めない」。なんと生花勝負に負ける悪夢にうなされていた。ななから家元を譲られるときのことを心配している? そこへなながやってきて……。

 生花を風間の家に持ち帰り、ももは生花の出来栄えに満足できず涙。
もも「私、もう見えなくなっちゃった」と告白。(後ろ生けに必要なもうひとりの自分の消滅)

 風間と恋愛しているため? 幸せは芸術の敵なのか?

 ここでタイトル入る。

 プールで泳ぐ宇都宮のところへななの母親・ルリ子(戸田菜穂)が、ななが家元になることを支持してくれる師範20人のリストを持ってくる。私達は一蓮托生、家元と戦うと宣言。

 一方、家元は運転手さんに、ももに都合のいい作り話をしたことを伝える。

運転手「いまさら父親だと名乗るつもりは毛頭ありません。むしろ、感謝しております。そこまでして、華道に留めようとしておられる、お家元のももさんへの愛情に」
家元「血を越えてでも、ももの才能を愛してやまんのだ」

 ももの家で、ももとなな。なぜ、家元はハニートラップを仕掛けたのか?

もも「私を華道に残すため。私は(吉池拓真と結婚が決まって)腑抜けになってしまった」
もも「後ろ生けに必要なもうひとりの自分が見えなくなった」
なな「華道家は恋をしちゃいけないとでもいうの?」
もも「拓真は家を出た」
もも「奥さんとは離婚するって」

 そこに吉池拓真がいた。驚くなな。

もも「私に必要なのは罪悪感よ」

 風間の家で、直人とウエディング姿のコスプレ娘(高橋ひかる)と直人たちの教頭先生(城後光義)が結婚式のリハーサル?

 その夜、風間の家に運転手サンがきて、ももが家元を継ぐ覚悟をしたことを伝える。

運転手「結婚はなしになる。恨まないでくれ」
直人「はい」

 佳代子の店で婚約パーティー。婚姻届に記入。酔っ払ったももをおぶって区役所へ。

 宇都宮とななは、お店で二人てカクテル。“罪悪感”を宇都宮が解説。

宇都宮「心の澱を流したいんだろうな」
なな「結局、お姉ちゃんは何をしようとしているの」
宇都宮「酷い事をして、その罪悪感と独りで向き合おうとしていいるのだろう」
なな「具体的には?」
宇都宮「過去、最も自分が辛かったことを…誰かに」
宇都宮「わかりやすいのがあるじゃない」
なな「結婚式直前に破談?」
宇都宮「ビンゴ」

 いつもいっしょにいるななでもわからないももの気持ちを、ももと数回しか会ったことがない宇都宮がなんでも知っているのは凄いなあ。

 ももと直人は、区役所に婚姻届を提出。

 だが、坂東基樹(博多華丸)が脳腫瘍で病院から逃げ出したことが判明。次に日、風間輪店にななが訪ねてくる。ももは運転手さんに婚姻届を出したことを伝える。

 病院の庭にて、家元とルリ子さん。家元はルリ子さんに次期家元に関して「ももとななで、俎上を催す」と伝える。あじさいの花言葉は冷酷とのこと。

 ななは直人に姉のももがしようとしていることを説明。

直人「かっこいい」
なな「え、え~」
直人「凄まじいなあ、アーティストって」
なな「いくらなんでも許されない」
直人「そうすることしかできないから、芸術家なんですよね」
なな「風間さん」
直人「ぷーさんでいいですよ」

 ももと運転手さんが車で

もも「私が家元にならなかったら、ママはなぜ死んだの。だからなる」
運転手「風間くんは?」
もも「めちゃくちゃ、かわいそう」
もも「ずーと、ぷーさんへの罪悪感をかかえて生きていく。誰とも恋をしないし、結婚もしない。私に子供がいないわけだから、私の後は、ななの子供を次の家元にする。そうすれば、家元のおばあさんになれるわけだから、ルリ子さんだって納得して、変なお家騒動にもならないですむんじゃない」
もも「芸術は爆発なの」
運転手「岡本太郎先生?」
もも「バージンロードは父の代わりに高井さんが」
運転手「よろこんで」

 実はぷーさんは婚姻届を回収していた。

なな「わかってたんですか、姉の考えが」
直人「最悪の想定です」

 こっそり聴いているコスプレ娘。

コスプレ娘「マジか」

 結婚式当日。結婚式に向かう車の中でももは宇都宮の華の配置図を見て、

もも「ぜんぶ、流れ菱になってる。京都の筋だよ」
なな「京都? 神宮流?」

 家元の病室に宇都宮が来ている。ルリ子側の20人の師範のリストを見せつつ。宇都宮はこのリストはななさんに好都合なのではと。

家元「それでは月島が弱くなる。正々堂々とした勝負であらねばならぬのだ。芸術の本質だけは決して曲げることはならん」
宇都宮「ご立派です。私には少々回りくどく感じますが」
家元「ももを公に打ち破ってこその次期家元だ。そのために噛ませ犬としても、ももを月島に留めおかねばならん。家元の娘が、運転手の娘に劣るなど、あってはならん、決して」
宇都宮「ななさんは私におまかせを」

 なんという親密な関係。宇都宮は、ももが運転手の娘ということまで知っているではないか? そこへルリ子が入ってきて、家元は退院へ。

 結婚式場。運転手さんとバージンロードを歩いて入ってくる。近いのキスのところで、入ってくる吉池。

もも「ごめんなさい」

 吉池に手を取られて、式場を出ていくもも。映画『卒業』かよ、的シーン。そしてももが、振り返って、直人を見ると、なんと微笑んでいる直人。で次回へ。

 次回、第2章に突入とのことです。ぷーさんが図書館で知り合うメガネ美女・千秋役で香里奈が登場☆

 華道界の名門・神宮流の次期家元と目される兵馬役で大貫勇輔も出演。今回は全体的に、説明が丁寧でわかりやすい脚本でした。家元も噛ませ犬のためにハニートラップやら何やらたいしたものです。あとは、“たゆたう光と影”とか“罪悪感”とか、月島流の真髄にも詳しく多分、家元と運転手さんしか知らないハズのももの出生の秘密まで知っていて、次回から登場してくる、神宮流とも関係がありげな宇都宮さんが何者なのか?

 まっ、ぶっちゃけ、私が風間直人の立場であっても、石原さとみとのワンチャンをものにして、夢のような、やることはやったわけだし。格式高い名家との付き合いを考えれば、一般庶民的には、一刻も早く別れたほうが楽。

 という意味では最高の結果で、本来なら反感を買うところを同情までされる立場となれば、微笑む気持ちもわかるのだが、多分、そういう話ではない、だろうな。

北川昌弘(きたがわ・まさひろ)
1957年、北海道生まれ。成蹊大学卒業。美女&美少女ウォッチャー。執筆活動やメディアへ出演する一方、各地の芸能イベントでの取材活動を行い、アイドルランキング『T.P.ランキング』の資料収集に従事。1991年〜1992年オーディション番組『ゴールド・ラッシュ!』(フジ)の審査員。1996年〜『ザテレビジョン』ドラマアカデミー賞審査員。

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