どんな領域にも「スター」はいるもの。「スター不在」というのは、そのジャンルに関する注目度を著しく下げてしまうもので、新たなスターが登場するのを求めるもの。
スポーツ界は特にそれが顕著で、スターがいないとなるとそのチームやリーグ全体の注目度や利益にもかかわってくる、いわば「死活問題」だ。世間の多くのマイナー競技がマイナーなままな大きな原因は、やはり「主役」と呼べるメディアを騒がせる人材がいないという点も否定できないだろう。
スポーツといえば「競馬」もご他聞に漏れず。昨年は歌手の北島三郎がオーナーのキタサンブラックがメディアを連日賑わせその走りに大きな注目が集まった。昨年の年末有馬記念を最後に引退したが、その後の競馬界はやはり一般の注目度という点では大きく落ち込んでいる印象だ。“シンボル”となる存在の不在はやはり大きな打撃となるのである。
ただ、競馬界において、今新たな「スター」誕生となるか、注目の存在がいる。それが、現在G1・5勝を含む障害レース9連勝中のオジュウチョウサン(牡7歳、美浦・和田正一郎厩舎)だ。
申し上げた通りの「障害馬」で、日本競馬においては完全に「地味」なポジションなのだが、障害での圧倒的な戦績やその強さから競馬ファンの間で大きな人気を呼び、関連グッズの売れ行きも絶好調なのだとか。
そんなオジュウチョウサンが、今週7日に福島競馬場で行われる“平地レース” 開成山特別(500万下)に出走するということで、さらなる熱視線が集まっている。常識でいえばバリバリの障害馬が平地参戦して結果を残すことは難しい。そもそものスピードや適性が大きく違うのだ。
しかし、そんな中で出走を決めたオジュウチョウサンに「勝ってほしい」「夢を見せて」と応援の声が殺到中。コンビを組むのが競馬界のスーパースター・武豊騎手ということもあって、盛り上がりは最高潮だ。
現段階でも十分スターなのだが、障害馬だけに今のところはまだ「裏の人気No.1」。今回の平地挑戦がもし実れば、本物の「スター」になることも? 期待したいところだ。