テレビの裏側をコッソリ暴露! 謎の業界人集団「チーム・スパイス」の業界裏日誌
【連載86】年末年始の風物詩の密着警察モノ 万引き犯を追うテレビマン!
編集部
そういえばもう師走なのよね。 この時期になると1年の早さを痛感するとともに、カレンダーに登場するタレントの掲載順や写真の大きさでモメてはいないかと心配しちゃうのよね。
とくに女優さんの多いプロダクションは大変よね。
「何であのコよりアタシのほうが後の月なのよ!」なんて、文句を言う大女優だっているんだから。
女優って、そういう序列を気にする生き物なのよ。 年末年始のテレビ業界は特番ラッシュ。
中でも“警察密着”モノは数字もいいし、各局放送するわ。
アタシも、以前“万引きGメン”に密着したことがあるんだけど、あれは本当に大変なのよ。 万引きGメンって、スーパーやデパートに頼まれて、商品を盗む人がいないか監視しているんだけど、アタシたちテレビマンはGメンの動きも追わなきゃいけないし、加えて犯人が万引きする瞬間をカメラに収めなくちゃいけないから、苦労が多いわ。 番組スタッフは、万引き犯に気付かれないようにするため、買い物カートや体に小型カメラを仕込んで決定的瞬間を狙うんだけど、誰が万引きするかなんて分からないじゃない?
だから、ひたすら客を装って買い物をしているフリをしながら、その瞬間を待つのよ。 しかも、スーパーって結構寒いのよね。
だから長時間いると、夏でも体が冷えてくるのよ。
あまりにも寒くて、撮影途中で体にカイロを貼っていたスタッフもいたぐらいなんだから。 でも、万引きGメンってすごいわよ。
まだ何もしていないお客を見て、ビビッっと勘が働くんだから。 「あの人やるわよ」ってこっそり教えてくれるんだけど、こっちとしてはその客が万引きするとは思えないの。
穏やかな顔つきの女性だし、着ている洋服もスタイリッシュなのよ。
お金に困っているようには見えないしね。 でも、大概そのマークしていた客が万引き犯になるのよね。
長年の経験や勘とはいえ、人を見る目のプロフェッショナルだわ。