テレビの裏側をコッソリ暴露! 謎の業界人集団「チーム・スパイス」の業界裏日誌

【連載82】テレビ業界も立場が人を変える!? ディレクター出世物語

編集部
  Tは敏腕ディレクターなんだけど、自分からグイグイ行くタイプじゃない。
  人見知りというか、変なプライドがあるというか。

  そのTがかつていた番組にいたのが、後輩のY。
  Yは今やゴールデンタイムのディレクターなんだけど、かつてはTの下で働くADだったのよね。

  しかも、当時“鬼軍曹”と呼ばれていた演出家の厳しい“指導”に耐えられなくなって逃げ出したこともあるのよ。
  情けないことに泣いて逃げたんだから。

  そんなチキン野郎のYを連れも戻したのが、Tだったわけ。
  当然ながら鬼軍曹は、「絶対に許さん!」と息巻いていたから、Yが再び番組に戻って来られるわけはなかったんだけど、先輩であるTがうまく間に入って、鬼軍曹をなだめたのよ。
  そのおかげもあって、Yは電撃的に復活した。

  だから、本来ならYはTに頭が上がらないはずなんだけど、今やいっぱしのディレクターとして活躍しているもんだから、そんなことまったく頭にないのよね。
  テレビ局でTと顔を合わせると挨拶こそするけど、過去の恩に対してはこれまで一度も感謝の言葉がないんだって。
  そんなこともあって、TはYに対して“塩対応”をしているのよ。
  それでもYは気付かないんだから、バカでしょ?

  また悪いことにYについているADが、Yによそよそしい態度を取るTに対して、「Tさん、なんかYさんに冷たくないですか?」なんて言うもんだから、ますますTは面白くないわけ。
  Yの下に付いているスタッフや、過去を知らない人間からすると、Yさんはデキるディレクターってことになっているからね。
  「なんでそんなに冷たいの?」って思うわけよ。

  そんな周囲の人間の態度を見るたびに、Tは冒頭のようなひとり言をつぶやいているの。

  そこまでムカつくならガツンと言ってやればいいのに、Tもそのあたりが煮え切らない性格なのよね。
 
  結局、アタシからすると、2人とも同じ穴のムジナよ。
  自信に満ちあふれて、肩で風を切って歩いているようなテレビマン男子なんて、もう絶滅したんじゃないかしら。

  そんなひ弱な男どもは無視して、大学時代の男友達にいいメンズを紹介してもらわなきゃ!

     本日の日直:アシスタントプロデューサー(業界歴13年)

・「チーム・スパイス」とは…メディアで活躍している、ディレクター、放送作家、アシスタントプロデューサー、スタイリスト、ヘアメイクなど数名で構成されている、謎の酒好きテレビ業界人集団。西麻布、三軒茶屋界隈などで、夜な夜な業界話に花を咲かせている。

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