テレビの裏側をコッソリ暴露! 謎の業界人集団「チーム・スパイス」の業界裏日誌

【連載75】手先の器用さはもちろん、笑いのセンスも問われる美術さん

編集部
  それもどんなモノでもいいというわけでなく、やはりその芸人が好みそうなモノでなければならない。

  また、時には現場でタレントから、「こういう風にして欲しい」という注文も出る。
  セットの一部の色を変えたり、頭をはたくハリセンの音がもっと大きく出るようにしたり、あらゆることに対応しなければならない。
  F1のピットクルーのような素早い動きで緊急事態に挑んでいるのだ。

  かつてはテレビを見ていると、それぞれの番組のセットに特徴があった。
  だが、最近はどの番組も同じような作りをしていることが多い。

  予算が削減されるようになって、思い切ったセットを作れなくなったというのが理由の一つだろう。
  費用がかかるものでも、番組が長く続けば十分に元を取ることもできるが、数字(=視聴率)の悪い番組は即打ち切りになるという、テレビ業界全体に余裕がない状況も影響がある。

  しかも、お金がないということでセットを建て込まずに会議室や人の家、クロマキーによる合成という方法も取られている。

  セットを見ることで、その番組の懐事情が分かるのだ。
  近年セットのいらない旅系、散歩系、グルメ系のロケ番組が近年増え続けたのも、そうした背景が関係している。

                  本日の日直:現役放送作家(業界歴14年)

・「チーム・スパイス」とは…メディアで活躍している、ディレクター、放送作家、アシスタントプロデューサー、スタイリスト、ヘアメイクなど数名で構成されている、謎の酒好きテレビ業界人集団。西麻布、三軒茶屋界隈などで、夜な夜な業界話に花を咲かせている。

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