今年の上半期の邦画実写作品があまりヒットしていない理由

編集部
  「若者のテレビ離れが叫ばれて久しいですが、その影響を受けてか“邦画離れ”も年々進んでいる気配です。そのことは映画の興業収入にも影響し始めている」

  大手映画会社の宣伝担当者がこう語るように、近年は邦画の実写映画が苦戦を強いられている。

  今年の上半期の邦画の実写作品で最も注目を集めたのが、元「SMAP」の木村拓哉主演の「無限の住人」だ。

  「キムタクが全国行脚のキャンペーンを行い大々的に作品をPR。地方のテレビ局のインタビューにも精力的に応じた。『SMAP』解散により“戦犯”にされてイメージダウンしていたキムタクだけに、なんとしても当てたかったはず」(映画ライター)だが、フタをあけて見ればメディアに出る記事の見出しはことごとく「爆死」、「不入り」、「大コケ」などネガティブなものばかりとなった。

  実際、興行収入では同時期に公開され、菅田将暉ら勢いのある若手俳優が終結した映画「帝一の國」の後塵を拝す結果となった。

  その「帝一の國」も目標としていた興収20億円に達するのは難しい状況で、イメージほどのヒットは飾っていない。

「今年に入り、6月24日の公開作品までの邦画実写でトップは2月公開の『相棒』の新作ですが、興収は20億円手前。おまけに、過去の『相棒』の劇場版の中では最低の興収となっています」(前出の映画会社の宣伝担当者)

  昨年のこの時期と比較してみると、1月公開の小栗旬主演の「信長協奏曲」が46.1億円、3月公開の「Hey! Say! JUMP」の山田涼介主演の「映画 暗殺教室~卒業編~」が35.2億円でそれぞれヒットを記録していた。

  ところが、今年は上半期の邦画実写があまりヒット作に恵まれていない。

「各映画会社はまず、夏休みの映画商戦に稼げる作品の公開を考える。そこを中心に各作品の公開スケジュールを割り振っていくわけです。それに、映画賞のことも視野に入れると、上半期に公開しても年末には忘れられてしまうので、どうしても手薄になる。結果、上半期の興行成績では洋画が強く、“洋高邦低”が当たり前のような状況になっています。とはいえ、今年の邦画に関してはあまりに上半期のヒット作が少なすぎる。若者のテレビ離れや実写映画に対する風当たりの強さが影響している印象です」(前出の映画ライター)

  今年の下半期のスタートとなる7月には、「嵐」の大野智主演の「忍びの国」、小栗主演の「銀魂」、窪田正孝主演の「東京喰種 トーキョーグール」など、人気小説や漫画を原作にした邦画の実写映画の話題作が続々と公開されるが、果たしてヒット作は誕生するのか?

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