テレビの裏側をコッソリ暴露! 謎の業界人集団「チーム・スパイス」の業界裏日誌

【連載56 】けっして姿を見せない縁の下の力持ち! 「前説」は格好の修行の場なり

編集部
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「では拍手の練習をします!」

  スタジオセットの中央に立つ漫才コンビは、おしゃれなスーツを着こなし、さわやかなたたずまいだ。

  彼らは、これから収録がはじまる番組の出演者ではない。
  しかし、今、確かに観覧席に座る観客から一斉に注目を集めている。
  彼らは前説を行っているのだ。

  スタジオ観覧者は、番組を盛り上げる重要な役割を担っている。
  番組が進行されていく中で、笑いや感嘆の声が上がれば、出演しているタレントは否が応でもノッてくる。

  一度でも舞台に立ったり、大勢の人を前に話をしたことがある人ならお分かりだろう。
  人は他人に評価され、認められることに快感を覚える。
  とくに笑いを取るというのは刺激的な媚薬だ。

  だからこそ、収録を観覧している人たちのリアクションは、出演者のテンションに大きな影響を与え、番組のデキを左右するといっても過言ではないのだ。

  一方、番組スタッフによるお義理の乾いた笑い声だけがこだまするスタジオほど、空しいものはない。
  身内だけの笑いと揶揄(やゆ)されることもある。

  「前説」とは読んで字の如く、番組の公開放送において、本番前に観客にアレコレと注意事項を説明しつつ、お客さんたちが楽しみながら、番組を盛り上げてくれるように場を温めておく役目だ。

  番組スタッフのフロアディレクターやADが担当することもあるが、おもにお笑い芸人が務めるケースが多い。
  番組のMCを務める芸人の弟子や出演者の後輩芸人、あるいはプロデューサーやディレクターがこれはと思った若手芸人に任せることもある。

  いずれにしても、彼らは最初にテレビ業界の洗礼を浴びることになる。

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