テレビの裏側をコッソリ暴露! 謎の業界人集団「チーム・スパイス」の業界裏日誌

【連載55】番組予算が削減で涙ぐましい節約撮影! 日本の優秀なテレビマンが海外に流出する日も近い!?

編集部
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  午後5時半、オレはADの自宅にいる。

  なぜ、そんな場所にいるのか?

  けっして、固い兄弟の契りを交わしたわけでもなく、またオレが同性愛者というわけでもない。
  仲だって格別良いということもない。
  ようはテレビ番組の撮影なのだ。  

  今や、番組予算は削りに削られ、頭を抱えている制作会社がほとんどだ。
  どこの世界も同じだと思うが、テレビ業界も立場の弱い下請け会社にシワ寄せがくる。
  限られたお金でやりくりするには、相当な切り詰めが必要だ。

  予算管理を担当するプロデューサーは番組がスタートする前から、そのことで胃がキリキリと痛む日々を送っている。
  深夜番組ともなると、その切り詰め方がより激しさを増し、ハウススタジオやレンタルスペースを借りる予算さえ惜しみ、こうしてADの部屋で撮影を行っているというわけだ。

  もっとも、今回は再現ドラマの撮影なので、生活感があるという点では、自分から『バカです』と言っているような漫画だらけの本棚を除けば都合が良い。

  スタッフの自宅に限らず、制作会社の会議室なんてこともあるし、普通の居酒屋やレストランをタイアップで借りることもある。

  いかに金をかけずに番組を作るか。
  節約主婦のような能力が試されるのだ。

  また予算の縮小は、当然キャスティングにも影響する。

  冠番組を持つような大物芸能人は別だが、急に露出が増えてギャラ単価が一気に上がったタレントなどは、かえって番組に起用されなくなるなんてことも。

  生き馬の目を抜く芸能界にあって、人気者は次から次へと量産されている。
  ただ悲しいかな、その中で何十年にもわたって、第一線で活躍し続けるスターは、ほんの一握りしかいない。
  その座に君臨するトップスターたちは、どんなに高いギャラでも、その需要が減ることはめったにないが、それこそポッと出の人気者ともなると、その立場は不安定このうえないのである。

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