【インタビュー企画】大ブレークの桐谷健太、「見ている人に夢を感じてほしい」

編集部
桐谷健太

  昨年おおみそかの「NHK紅白歌合戦」への出場や、2015年CM好感度ナンバー1など、注目を集めている俳優・桐谷健太。もともと個性派俳優として映画やドラマで活躍をしていた桐谷だが、ここ数年の活躍は目覚ましい。そんな彼が映画『彼らが本気で編むときは、』では、生田斗真演じるトランスジェンダーの女性・リンコを深い愛で包み込む青年を演じ、新境地をみせた。「ターニングポイントになる」と語った桐谷が作品への思いや自身の話を語った。

  桐谷といえば、映画『パッチギ!』のキレキレの高校生や、ドラマ「タイガー&ドラゴン」のチビT、「ROOKIES」の平塚など、“動”のキャラクターで作品にインパクトを与える役が多かったが、本作では、LGBTという難しいテーマのもと、穏やかでどんなことにも動じない器の大きな男を演じた。

「マネージャーが電話で『すごくいい本の映画がある』って言っていたのですが、その説明が『お姉ちゃんが娘を家に置いて出て行ってしまい、その姪っ子をもともと男性だった女性と一緒に育てる…』みたいな感じだったので『なにそれ! よーわからんからとりあえず読みます』って言ったんですよ。でも今どき珍しいオリジナル作品で、荻上(直子)監督も空気をとる個性的な方って知っていたので、めっちゃ楽しみでした」。

  とはいうものの、トランスジェンダーの女性を愛するということは、桐谷にとって日常の延長ではない。
  役にアプローチするために、すべきことが多かったという。

「東京に出てきた時、この業界に入るきっかけになったのが、ゲイの方にナンパされたことなんです。その人にモデル事務所を紹介してもらったりしたのですが、すごくゲイの友達が多かったんです。今回の役を演じるうえでも、トランスジェンダーの友達に電話して、いろんな情緒や気持ちなんかを聞きました。そんな中で『健太、考え方なんて人それぞれだよ』って言われた時、普通ならヒントにならない言葉だと思うんですが、僕の中では腑に落ちたんです。そりゃそうだなって」。

  また、生田がリンコという難役に真摯に向き合う姿をみて、桐谷はこれまでの作品に対する考え方が変わったという。

「最初は苦労しただろうし、大変だったと思いますよ。メンタルな部分もちゃんと作りながら、フィジカルな面にも気を払わなくてはならないんです。肩幅とか手の動きとかがお兄ちゃんにならないってことは重要じゃないですか。この映画は斗真が美しく見えることが重要。監督からは『座り方が男!』と言われるわけで(笑)。今まで僕は『自分が一番目立ったる!』って思っていたのですが、この作品では斗真が美しく見えるように全力で支えようって気持ちになったんです」。

  新たな思いが沸いてきた現場、そしてこれまで桐谷が見せてきた演技とは趣の違う役柄…。
  さらに人気CMへの出演、歌のヒット、「紅白」への出場と、ここ数年、大きく桐谷を取り巻く環境は変わっていった。

「僕自身、仕事への取り組み方や思いは変わっていないんですよ。あえていうなら自分のことを多くの人に“気づいてもらった”ということなのかなって思うんです。歌も好きでやっていたら、CMで起用してもらって、そうしたら『紅白』出場…。まったく狙ってないですよ(笑)」。

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