テレビの裏側をコッソリ暴露! 謎の業界人集団「チーム・スパイス」の業界裏日誌

【連載44】今やADが番組会議の主役に! SNSの発達で変わりゆくテレビ業界

編集部
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「で、お前の意見はどうなの?」

  ひと昔前の番組会議といえば、ADは無言でひたすら議事録をメモする要員に過ぎなかったのだが、最近はだいぶ様子が変わってきた。

  その背景にあるのが、インターネット、SNSの発達だ。

  最初こそテレビは娯楽の王様と、ネット文化をまったく相手にしていなかったが、その普及と影響力は予想をはるかに越えるものだった。
  そして、その中心にいるのが若者だ。

  高視聴率を連発し、テレビ局を肩で風を切って歩いていた40歳以上のテレビマンたちもSNSから生まれるブームにはついていけず、10代、20代向けの番組づくりに苦労している。

  テレビからスマホへと興味が移ってしまった若者を再びテレビに戻すにはどうしたらいいのかを悩み、さまざまな企画を試みるが、あまり芳しくないのが現状だ。

  それゆえに、会議でも「ここはひとつ若い人の意見も聞いておこう」という風潮になっているのだ。

  少し前まで「君の名は?」と名前すら覚えてもらえなかったADが、昨年に大ヒットした映画「君の名は。」について、おじさんスタッフたちにレクチャーしている。

  いつもは、ネチネチと説教をしているおじさんたちが、若者の口から発せられる言葉をどこか違う星の言語かのように不思議そうに聞いているのは、瀧と三葉ではないが、普段と完全に立場が入れ替わっているかのようだ。

  ある時は、これまで会議室の片隅で小さくなっていたADたちが、やはり大ヒットした映画「この世界の片隅に」は絶対見るべきだと、プロデューサーに熱く語っているなんてこともあった。

  NHK朝ドラの「あまちゃん」をあれほど「主役の子が最高だから見ろ! 見ろ!!」とうるさく言っていたにも関わらず、還暦間近のこのプロデューサーは主人公・北条すずの声をのんが担当したことすら知らなかったのだ。

  アンタが“あまちゃん”だと心の中でツッコミたくなる始末である。

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