過熱化するメディアの薬物疑惑報道の先にある危機感

編集部
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  写真週刊誌「フライデー」で薬物使用を報じられた俳優・成宮寛貴が、芸能界電撃引退を表明した。

  成宮は、所属事務所を通じて直筆のコメントを発表。
  「心から信頼していた友人に裏切られ複数の人達が仕掛けた罠に落ちてしまいました」とし、「この仕事をする上で人には絶対知られたくないセクシャリティな部分もクローズアップされてしまい、このまま間違った情報が拡がり続ける事に言葉では言い表せないような不安と恐怖と絶望感に押しつぶされそうです」、「自分にはもう耐えられそうにありません。今すぐこの芸能界から消えてなくなりたい」などと心境を吐露。
  最後は、「本当にごめんなさい。そして、ありがとうございました」と綴っている。

  一部スポーツ紙の報道では、成宮は芸能界引退発表後、シンガポール経由で東南アジアの国に入ったという情報も取り沙汰されている。

  成宮の薬物使用、その疑惑の真偽に関しては現時点では断定できないが、そもそも今回の「フライデー」の報道の背景には、成宮の知人とされるネタ元の情報提供があったとされている。

  昨今では多くのメディアが芸能人や著名人の薬物疑惑を報じる傾向にあるが、たいていの場合はその周辺からのリークが報道の根幹をなしているが、その背景を芸能評論家の三杉武は語る。

「昨今では芸能人や著名人の薬物関連の記事が週刊誌やネット媒体で目立ちますが、警察や麻取(=厚生労働省地方厚生局麻薬取締官)がマスコミ媒体に情報を提供するケースは極めてマレと言ってもいい。何故なら、逮捕前の報道は彼らにとって何のプラスにもならないからです。せっかくマークしていたのに、メディアの報道をキッカケにターゲットがクスリ断ちや海外などで“クスリ抜き”をするケースもある。とくに、末端の薬物使用者よりも、薬物を蔓延させている根っこを最大のターゲットにしている麻取からすれば、水面下で探っていたルート全体が御破算になる可能性もあり、メディアの過剰な報道がマイナスになることも多いのが実状です」

  結果、多くのメディアは記事の対象となる芸能人や著名人の周辺からの情報提供に頼らざるを得ないわけだが、こうした構図は疑惑を報じられた芸能人や著名人にとって大きなリスクを伴うことにもなる。

  つい最近も、俳優・西田敏行が今月8日に放送されたテレビ朝日系「徹子の部屋」で、一部で報じられた自らの薬物疑惑に言及。
  「ネットニュースで、覚醒剤中毒じゃないかって。そういうのを書く人がいるんですね。結局、シャブ抜きのために入院だとかとも書かれて。平気でいろんなことを言う人がいるんだなと思いました」、「シャブ中ではございません!」と疑惑を完全否定した。

  一方、疑惑を報じるメディア側も、それなりの覚悟やリスクを伴う。

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