時代錯誤に大手芸能事務所依存…、フジテレビの月9ドラマが苦戦続きのワケ

編集部
「とくに2011年1月クール放送の『大切なことはすべて君が教えてくれた』以降は、苦戦が続いている印象です」と指摘するのはベテラン放送作家。

  同ドラマは、演技力に定評があった戸田恵梨香と、「サザンオールスターズ」や福山雅治らが所属する大手芸能事務所「アミューズ」が売り出し中だった三浦春馬がW主演した恋愛モノ。
  全話の平均視聴率は11.4%となったが、前年10月クールに放送された竹野内豊主演の「流れ星」の平均視聴率14.1%と比べると、3%近くも“数字”を落とすことになってしまった。

「それまでの月9ドラマは主演の役者の格を重視していましたが、この頃から他のドラマや映画などで実績のある俳優、女優よりも、大手芸能プロダクションが売り出し中の若手を起用するようになった印象が強いですね」(同放送作家)

  2013年1月クールには、剛力彩芽主演の「ビブリア古書堂の事件手帖」を放送。
  人気小説シリーズをドラマ化したが、「剛力さん本人に罪はないとはいえ、原作の主人公のイメージと健康的で明るい剛力さんのキャラクターとがかけ離れていたうえ、“ゴリ押し”などとバッシングを受けていた時期と重なったこともあり、原作ファンの反感を買ってしまいました。結果、平均視聴率も11.3%と苦戦しました」(スポーツ紙デスク)

  また、2014年4月クールに放送された尾野真千子主演の「極悪がんぼ」も、人気コミックが原作ながら主人公の設定を男性から女性に変えるなど“はじめにキャストありき”の印象をぬぐえず、平均視聴率9.9%と2ケタを切る結果に…。

  その後は恋愛モノ中心のかつての王道路線に原点回帰するも、今年も有村架純と高良健吾がW主演した1月クールの「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」が9.7%、福山雅治主演の4月クールの「ラヴソング」が8.5%、桐谷美玲主演の「好きな人がいること」が8.9%と視聴率はまったく回復せず、平均視聴率1ケタ台という状況だ。