テレビの裏側をコッソリ暴露! 謎の業界人集団「チーム・スパイス」の業界裏日誌
【連載34】番組を盛り上げるナレーションはこうして録音されている! 神技を持つナレーターのスゴさとは?
編集部
そして、ただの映像が声を当てることで、より活きたモノへと変わっていく。
Kさんは「ちょっとそこのところ抑揚をつけましょう」、「語尾は残る感じで」と、録り直しを要求しても、イヤな顔ひとつ見せず、淡々とイメージ通りの声を合わせてくれる。
しかも、声を当てる時間はコンマ何秒という世界。 “ショート”することなく、また“こぼれてしまう”こともなく、ピッタリとその尺(=時間)で収めるのである。
これを神技と言わずして何と言おうか。
まさに“声の職人”だ。
すでに別の作業を始めていたミキサーによると、Eは家族旅行のため、とっくに帰ったという。 “ナレーション”よりも“バケーション”の方を優先か! 新たな怒りの火種を胸に抱えながら、オレは担当作家の“イノベーション”を心に誓った。 本日の日直:業界歴16年 ディレクター(フリー) ・「チーム・スパイス」とは… メディアで活躍している、ディレクター、放送作家、アシスタントプロデューサー、スタイリスト、ヘアメイクなど数名で構成されている、謎の酒好きテレビ業界人集団。西麻布、三軒茶屋界隈などで、夜な夜な業界話に花を咲かせている。