テレビの裏側をコッソリ暴露! 謎の業界人集団「チーム・スパイス」の業界裏日誌

【連載4】パクリや内職は当たり前! テレビ番組の会議風景の実態とは?

編集部
  沈黙を破ったのはチーフ作家のO先生だった。

「あのさぁ~、予算も限られているし、ランキング形式で紹介する演出でいいんじゃない?」

  時間を掛けてひねり出したかのようなそのアイデアは、会議冒頭で20代後半の若いディレクターが提案したものであり、そのときO先生は激しく却下していた。
  その証拠に、ホワイトボードにも「ランキング形式」という字が書かれている。

  オレの正面に座る女性APはそれに気付いたようで、笑いをこらえていた。
  そして、それまで苦虫を潰したような表情だったプロデューサーは、そんなO先生の発言を聞き、「そうだよねぇ。やっぱOさんもそう思う? オレもそれしかないと思っていたわけよ。よし、それでいこう!」と、ようやく会議終了のゴングを鳴らした。

  眠っていたADは、いつの間にか目を覚まして“ランキング形式”という字に赤丸をつけ、プロデューサーはO先生に「一杯いく?」などと声を掛けている。
  ディレクター陣は、やりかけの編集作業に戻るようだ。
  こうして、それぞれが散会していく。
  終電もなくなり、タクシーチケットも出ない身分であるオレは、Kさんに自慢の外車で家まで送ってもらうおうと後を追いかけた。
  Kさんが会議中に内職していた、番組のタイトルでも囁けば、きっと同乗させてくれるハズだ。

                                 本日の日直:業界歴16年 テレビ番組ディレクター(フリー)

・「チーム・スパイス」とは… メディアで活躍している、ディレクター、放送作家、アシスタントプロデューサー、スタイリスト、ヘアメイクなど数名で構成されている、謎の酒好きテレビ業界人集団。西麻布、三軒茶屋界隈などで、夜な夜な業界話に花を咲かせている。

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