北川昌弘の「美女&美少女的ドラマ独偏批評」その16

石原さとみが家元にダマされた!? 見どころは高橋ひかるか!? 『高嶺の花』第5話レビュー

編集部
ドラマの“質”は脚本家で決まるのか、あるいは演出家、プロデューサーで決まるのか? 確かにそれもあるだろう。だが、作品に彩りを添えるのは女性キャストだ! 稀代の美女&美少女ウォッチャー・北川昌弘が送る、女性キャストから見るドラマ評――。

 濃厚なふたりの初ベッドシーンの期待は裏切られたが、もも(石原さとみ)と風間直人(峯田和伸)は結婚へ突き進む。

 次期家元はななでまとまりかけたが、家元が襲撃されて、都合のいい母親の話から……。次回、第一章最終回だそうです。

 前回(第4話)の本編の次号予告はそうでもなかったが、ネットや他のドラマの後の告知スポットでは、なかなか期待できそうな、ももと風間直人の初ベッドシーンが流れていて、妙に期待したけど、いきなり朝ベッドシーンでした。

 経験のない風間直人はうまくできるのかの心配も描かれず、残念です。

 高嶺の花を掴むことに失敗した、日本一周自転車旅行の引きこもりメガネ少年(舘秀々輝)は元美術教師の坂東基樹(博多華丸)に助けられていた。

 プールでの千葉雄大裸体サーブスシーンでの戸田菜穂の逢瀬にななが現れ、危機一髪。プールに投げ込まれた戸田菜穂には笑ったけど。

 佳代子(笛木優子)の店で、コスプレ娘(高橋ひかる)や笛木の娘(田畑志真)も含めたこっちのメンバーに、ふたりでお泊まり報告。こっちのももとあっちのもも話で盛り上がる。

 一方、自転車少年は美術教師にひきとめられる。博多華丸がどうやらこの回のゲストではなさそう。

 ももの家で、ももは、なな(芳根京子)に風間を紹介するべく呼びつける。ななも宇都宮(千葉雄大)を呼んでいて、4人集合。

 そして、風間が家元・月島市松(小日向文世)に呼ばれる。家元、その妻・月島ルリ子(戸田菜穂)、もも、ななが揃う中、ももと風間は結婚することを報告。だが、風間が養子に入ることは拒否。ももは家元から「破門する」と言われるもガッツポーズ。

 イベント会場の宇都宮のところへももが。

もも「ななを泣かせたら、あんたも泣かすよ」
宇都宮「わかりました」
もも「月島市松をなめない方がいい。ななを守ってあげて」

 家元とその妻・ルリ子は

ルリ子「宇都宮さんとななはお付き合いしてます」
家元「なんだと」
ルリ子「あのふたりで、未来の月島を」
家元「なんと愚かな女だ」
ルリ子「許さない」

 風間の自転車店に運転手さん(升毅)が、ももとの結婚を止める説得にやってくる。それを効いてたコスプレ娘・秋保が、

秋保「不細工な貧乏人扱いしてくれちゃって」
直人「おい、不細工なんて言われてないだろ」
秋保「あんた。運転手さん。確かにいけてるとこ、わかりづらいわよ、プーさんの。でも、探せば、いいとこあるんだよ。たとえば、この私さ。可愛いからって、酷いイジメに遭って不登校。それで、鬱になって、二次元行きのおためさん。親からも見放されて、居場所なんかここにしかないんだよ。ぷーさんだけが、私は私、ありなままでいいって、まんま受け入れてくれたんだ。偉そうに、薄汚れたクマの縫いぐるみ扱いするのやめれって言ってんだよ」

 と撃退。高橋ひかるのなかなかの見どころでした。“おためさん”の意味はよく知らないが……。

 そして、運転手さんが去ったあと

直人「誰がイジメられて不登校だって」

 もものところへ元婚約者・吉池(三浦貴大)の臨月の妻・真由美(西原亜希)が現る。

真由美「あの人、携帯も置いて出ていったままなんです」
もも「そう」
真由美「すいません、直接、ご連絡などしてしまって」
もも「心配ね。でも私のところにはきてないの」
真由美「申し訳ございませんでした。お嬢様」
もも「わたしは月島の人間よ。あの家元にたのまれたら、師範代が断れないのはわかっているつもりよ」
真由美「断れないというより、むしろ私は喜んで…」

 元婚約者が家元を襲撃(かなり明るい昼間)。宇都宮の家にきているなな。(夜っぽい)

宇都宮「キミを泣かせたら、ボクも泣かすと言われたよ」
なな「それ、子供のころ、いじめっ子に言ったのと同じセリフ」
宇都宮「いずれにしろ、次期家元はキミの一択になった」
なな「それはどうかなあ」
なな「あなたは華道家というわりに、腕前を一度も披露していない」
宇都宮「キミといっしょ。自信がないからねえ」
なな「違うと思う。その時がきたら、月島の全師範の前でみせるんじゃないかな。そして、私より次期家元にふさわしいのは、婿養子である私の方ではないのか」
宇都宮「まさか。血族による継承は絶対じゃないか」
なな「ほかならぬ、家元になった私がゆずってしまえば……。血族の一員に加わった夫にその地位を……」
なな「驚いた。私、まんざら、世間知らずのお馬鹿さんでもないでしょう。誤解しないで。それでいいと思う。私はそれでかまわない。その代わり……」
宇都宮「それはすでに約束したよ。キミのお姉さんに。全力でキミを守る」

 とりあえず、ななの今後の方針は見えた印象です。単に宇都宮に一目惚れしたわけではなかった。

 ももとキャバクラの店長。店長になにかを渡していた。働いていたのではなく、場所を借りていたのだろうか? そこへ家元襲撃の連絡有り。

 完全に夜になって、父親の病室にかけつける、妻、なな、宇都宮。その後、ももがあっち(こっち?)の格好のままタクシーでかけつけて、宇都宮と話す。ぷーさんと博多華丸がケータイで顔を見せ合う。

 次の日。病室で、家元ともも。そこで語られる、ももの出生と母親の死に関する話。

家元「あなたは家元であり、この子は月島を継ぐ子なのだからと。自分の命に替えても産む価値のある子なんだと。私は家元の子を産めることが生きた証なのだからと」
家元「彼女の願いを叶えるために、お前の才能を潰すわけにはいかなかった。月島を離れることを許すわけにはいかなかったのだ。娘の結婚を父親として壊すことになったとしても」
もも「それが私の宿命なんでしょう」
家元「お前の母親が望んだ……」

 この期に及んで、家元も役者である。

 一方、佳代子の店で、ふたたび、風間と運転手サン。コスプレ娘がいない中、前回の釈明をするも今度は佳代子が「ふさわしいとか、ふさわしくないとか、余計なお世話」と一蹴。

 そして、ななの母親は覚悟を決めた。支持者の師範を20人くらいだが、集めて行動開始。

「なな様を次のお家元に」

 もものところへ元婚約者現る。事件になってないと伝え、家に帰るように言うが……。

「離婚する、ボクを愛して欲しい」

 でも、一応最後は、風間の家に来ているももに、直人は代々伝わるアクアマリンの指輪を渡す。

 以下、次回。病室での家元の芝居にコロリと騙され、家元になる決心をしたかに見えるももだが、風間との結婚にも突き進む模様。ちなみにバージンロードを歩く相手は運転手さんらしい……。

 いくつか、不思議な点はある。自分の出生と母親の死の問題。自分の誕生日が母親の命日で誕生日が祝えない設定のドラマは以前にもあった。

 その事情を子どもの頃は隠せたとしても、この年齢まで隠せるものか。そんな大事な話はもっと早くにももは知っていないのが疑問。逆に、言えば、ももも素直に家元になったハズ。それをハニートラップまで使って、破談にすべきことか。

 ハニートラップにひっかかった方も問題大だろう。結婚間近の婚約者がいて、どんな巧妙なハニートラップを使ったのか。できれば、そっちをドラマで描いてもらいたいくらいだ。

 とにかくハマった方の責任が大なのに、いまさら、襲撃したり…、離婚すると騒いだり、自己中心過ぎる。

 ただ、すでに明らかになっている裏設定。ももは実は運転手さんの子供らしいということ。つまり、病室でのやりとりは、もしかすると家元の完全な作り話の可能性大。さらに、ななと宇都宮が付き合っているときいたときの家元の反応を考えると。実は、宇都宮クンが家元のご落胤とか? だったら阻止すべきは、宇都宮とななの兄妹婚だろう。横溝正史じゃないんだからと思いつつ、野島伸司ならあるかも。

 なので、ももと宇都宮クンが結婚して月島を継げば、一応、丸く収まるのか。才能も血脈も継承される?

 ちなみに公式HPの相関図が新しくなった。博多華丸さんも載っているのに、コロッケ揚げのクールビューテー奥田恵梨華さんは載ってない。やっぱりもう出番はないのかもしれない……。

 とにかく、今回は高橋ひかるが升毅を撃退したシーンは収穫でした。

 次回で第一章最終回という意味が気になる。結婚式が無事終わるかもかなり怪しい雰囲気だし。さらに第7話から香里奈がメガネ女子役で出演の情報も……。

北川昌弘(きたがわ・まさひろ)
1957年、北海道生まれ。成蹊大学卒業。美女&美少女ウォッチャー。執筆活動やメディアへ出演する一方、各地の芸能イベントでの取材活動を行い、アイドルランキング『T.P.ランキング』の資料収集に従事。1991年〜1992年オーディション番組『ゴールド・ラッシュ!』(フジ)の審査員。1996年〜『ザテレビジョン』ドラマアカデミー賞審査員。

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