テレビの裏側をコッソリ暴露! 謎の業界人集団「チーム・スパイス」の業界裏日誌

【連載1】業界最下層は今や昔! 意外と儲かるADの実情とは?

編集部
 かつては、鉄拳制裁が日常茶飯事だったテレビ業界。
 会議室やスタジオ、編集室でのパンチやキックはよく目にしたものだし、自分もミスをして何度も頭をはたかれた思い出がある。
 だが、今ではそうした光景はすっかり鳴りを潜めた。 かく言うオレもADには気を使っている方だ。メシや酒を奢ることだってある。
 ADに機嫌を損なわれて、辞められてしまうことがあったら大変。補充要員がすぐには見つからないからだ。

 そうした事情もあり、昨今のテレビ業界ではADがかなり稼いでいるという現象が起きている。
 かつてADといえば、重労働&薄給が当たり前だったが、今では優秀かつ世渡り上手なADは、番組を2~3本掛け持ちし、かなり懐が潤っているのだ。
 
 先日、ある会社から派遣されているADに近況を聞くと、先月のギャラがオレより高いことが判明した。
 ソイツは、2本の番組を掛け持ちし、空いている時には収録日にだけ別の番組の助っ人に行ったり、カンペやちょっとした美術品、小道具を作ったりして小遣いを稼いでいるという。
 美術品や小道具は美術会社に発注すると値段が高いので、業界全体が経費削減の風潮もあり、作れるものはADが製作することもある。
  何もできなかったアイツがそこまで成長したのかという、うれしさの反面、先輩という立場でありながら稼ぎを抜かれるという悔しさが、胸に去来する。
 先月、オレがやった旅番組のロケ。確かにギャラは安かったが、それにしてもである(涙)
 
 シーンと静まりかえった深夜のオフィスで、気まぐれに転職サイトを覗くも、現実の厳しさを知るだけだった。
 特別な資格を持っているわけでもなく、かといってYoutuberとして食べていく勇気もない自分は、まだまだこの世界でやっていくしかないのだ。
 脱・幕の内弁当!
 気合いを入れ直し、オレは再び明日のロケの台本の直しを始める。 今夜も徹夜だろうな…。  

                                                          本日の日直:業界歴16年 テレビ番組ディレクター(フリー)

・「チーム・スパイス」とは… メディアで活躍している、ディレクター、放送作家、アシスタントプロデューサー、スタイリスト、ヘアメイクなど数名で構成されている、謎の酒好きテレビ業界人集団。西麻布、三軒茶屋界隈などで、夜な夜な業界話に花を咲かせている。

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